アブストラクト(32巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 修正大血管転位症(SLL)の心室中隔欠損に対する新しい閉鎖法の試み
Subtitle :
Authors : 北村惣一郎, 大山朝賢, 河内寛治, 康重雄, 宮城康夫, 森田隆一, 山田義帰, 谷口繁樹
Authors(kana) :
Organization : 奈良県立医科大学第3外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 2
Page : 209-215
Year/Month : 1984 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 心室中隔欠損(VSD), 心房中隔欠損(ASD), 肺動脈狭窄, 心内膜炎に起因する肺動脈弁閉鎖不全症, 右胸心, 三尖弁のタイプA straddling, 肺高血圧症を合併するSLL型修正大血管転位症の一成人例に左室-肺動脈弁付き導管移植, ASD, VSDパッチ閉鎖を行った. VSDの閉鎖に非心室切開による新しい方法を試みた. 本法はまず右心房を切開し経僧帽弁的にVSD下縁側半分に糸を解剖学的左室側に掛けておき, 次いで大動脈を切開して経大動脈弁的にVSD上縁側半分に解剖学的右室側より同様に糸をかける. 長楕円形のパッチの上半分を経大動脈弁的に右室側に縫着し, 次いでパッチの下半分をVSD内を通して左室側に導き, あらかじめ掛けておいた糸で左室側に縫着する. パッチのVSD通過点で追加糸を置く. 本法により心室切開を行わず比較的良好な視野で刺激伝導路走行部のVSD上縁側は右室側より糸を掛け, VSD下縁側では三尖弁特に軽度のstraddlingを伴うものでもその損傷がないよう左室側より糸をかけるという利点が得られる. また経大動脈弁的には視野の良い上半分のみに糸を掛けるので無理な索引は必要なく大動脈弁の損傷も発生し難い. まだ一成人例への試みでありごくわずかながらVSD leakageを残しており結論はできぬが理論的には新しい良いVSDアプローチと考えるので報告した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 修正大血管転位症, 心室中隔欠損閉鎖法, 非心室切開法, 完全房室ブロック, 術後三尖弁閉鎖不全症
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