Authors : |
角秀秋, 瀬瀬顕, 麻生俊英, 益田宗孝, 井本浩, 松崎浩史, 中村祐一郎, 戸嶋良博, 安井久喬 |
Abstract : |
大動脈1-malpositionを伴う両大血管右室起始症(DORV)で心室ループの異なるSDL型及びSLL型DORVの2症例に対して, いわゆるRastelli手術を施行し, いずれも良好な結果を得た. 症例1は5歳, 女児で, 大動脈弁下心室中隔欠損(VSD), 肺動脈狭窄(PS)を伴うSDL型DORVである. VSD・大動脈弁口間にintemal conduitを作成し, PS解除は肺動脈基部前方を右冠動脈が走行するため, 右室・肺動脈間にHancock valved conduitを縫着した. 症例2は5歳, 男児で, 肺動脈弁下VSD, PSを伴うSLL型DORVである. 心内修復に先立ち術中His mappingによりVSD前上縁に房室伝導路を確認し, 次いで解剖学的左室切開によりVSDを閉鎖し, 同左室・肺動脈間にHancock valved conduitを縫着した. VSD閉鎖に際し, パッチ縫合糸はVSDの前上縁を上方に約3mm避けてかけ, 完全房室ブロックの発生を防止し得た. 術後2年を経た現在, 両症例とも元気に通学しているが, 症例1の良好な術後経過に比し, 症例2は心拡大及び軽度の肝腫大が術後長期間持続した. これら2病型の外科治療及び術後心機能を比較検討し, それぞれの問題点について考察を加え報告する. |