アブストラクト(32巻3号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 肝のポリープ状脱出を伴った外傷性右横隔膜ヘルニアの1治験例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 池田道昭, 宇野顕, 大貫恭正, 菅間敬治, 萩原昇 |
Authors(kana) : | |
Organization : | いわき市立総合磐城共立病院呼吸器外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 32 |
Number : | 3 |
Page : | 378-383 |
Year/Month : | 1984 / 3 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 肝のポリープ状脱出を伴う外傷性右横隔膜ヘルニアの症例を経験したので報告する. 症例:49歳, 女. 4年前に約3mの階段から転落し胸腹部を打撲したが, 軽症のため医療機関は受診しなかった. 来院時の胸部X線正面写真では, 右横隔膜の中央部に, また, 側面写真では横隔膜穹隆部の前方寄りに, 境界鮮明な約3.5cm×2cm大の卵円形陰影が横隔膜と連続して認められた. 昭和54年6月4日に右開胸手術を行ったが, 手術時, 横隔膜腱中心部の前方に直径約4.5cm大の裂孔が認められ, そこより肝の1部がポリープ状に脱出し, その大きさはくるみ大で, 基部は横隔膜裂孔縁で絞扼されていた. 脱出肝を腹腔内に還納し裂孔を縫合閉鎖した. 本症の術前診断は困難であるが, 既往歴に胸腹部の外傷があり, しかも, 胸部X線写真で右横隔膜上に腫瘤状陰影を認める場合には, 本症を疑って気腹撮影及び肝シンチグラムを試みるべきである. 外傷性横隔膜ヘルニアは, その作用する外力の種類によって, 刺創などの直達外力による直接型と, 転落事故などの介達外力による間接型に大別される. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 外傷性右横隔膜ヘルニア, 肝の部分脱出, 横隔膜ヘルニア |