Authors : |
伊藤信行, 小山信弥, 吉原克則, 田村進, 徳弘圭一, 小松寿, 亀谷寿彦, 佐地勉*, 松尾準雄* |
Abstract : |
Ellis-van Creveld症候群は, 軟骨形成不全, 外胚葉形成不全, 多指症, 先天性心奇形を4徴とする症候群で, 合併心奇形としては, 単心房を中心とした心内膜床欠損症が多いといわれるが, 心奇形に対する外科治療の報告は少なく, 文献上6例を数えるにすぎない. 我々は一卵性双生児で本症候群と診断された2例に対し開心術を施行した. 第1子(姉)は, 不完全型心内膜床欠損症で, 第2子(妹)は, 単心房兼左上大静脈遺残であった. Ellis-van Creveld症候群は, 軟骨形成不全, 外胚葉形成不全, 多指症, 先天性心奇形を4徴候とするまれな先天性奇形症候群で, 1940年Ellisとvan CreveldによりChondroectodermal dysplasiaと提唱され1), 現在まで世界で約100例, 本邦で27例の報告がみられる. 本症候群の心奇形に対する外科治療は, 1966年浅野ら2)の報告が本邦第1例で, 近年徐々に報告例が増えてきているが, 現在まで6例である. 我々は, 一卵性双生児で本症候群と診断された2例に対し開心術を施行した経験を得たので報告する. |