アブストラクト(32巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 左全肺静脈が左腕頭静脈に結合する部分肺静脈還流異常症の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 田中稔, 阿部稔雄, 村瀬允也, 野垣英逸, 竹内栄二, 弥政洋太郎
Authors(kana) :
Organization : 名古屋大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 3
Page : 395-399
Year/Month : 1984 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 左全肺静脈が, 垂直静脈を介して左腕頭静脈に異常還流する部分肺静脈還流異常症の1手術治験例を報告した. 症例は51歳の男子で, 心房中隔欠損などの心内奇形を合併しておらず, 体外循環を使用することなく, 垂直静脈と左心耳の後壁とを端々吻合した. 術後血管撮影では, 吻合口は十分の大きさをもって開存しており, 左肺静脈のうっ滞もみられなかった. 我々の手術経験と同時に, 文献上知ることのできた同様疾患の手術症例16例についても検討を加え報告した. 部分肺静脈還流異常(以下PAPVD)は心房中隔欠損を伴うことが多く, 必ずしもまれな疾患ではない. その還流部位としては, 右上肺静脈が上大静脈あるいは右心房に還流することが多く, 左全肺静脈が垂直静脈を介して左腕頭静脈に異常還流することは珍らしい1)~3). 我々は, 左全肺静脈が左腕頭静脈に異常還流し, 心房中隔欠損(以下ASD)などの心内短絡奇形を伴わない症例を経験し, この症例に対して垂直静脈を切断して左心房に吻合することに成功したので, 手術手技上の問題点を中心に同様症例に関する文献的考察を加え報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 部分肺静脈還流異常症
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