Abstract : |
外科的副刺激伝導路切断術を施行した28例の術前体表面電位図を記録し, 臨床的に用いられる副刺激伝導路の部位別にその特徴を明らかにした. 特にデルタ波の立ち上がりより40msec(QRS中期)における極大・極小の体表面上の位置, 零線の走行を指標とした. 副刺激伝導路の部位は臨床的に用いられている. 1. 左室前壁型, 2. 左室側壁型, 3. 左室後壁型, 4. 左室後中隔型, 5. 右明後中隔型, 6. 右室後壁型, 7. 右室側壁型, 8. 右室前壁型, 9. 右室前中隔型の9タイプ分類に従った. 左心型のうち, 左室前壁, 側壁, 後壁型では極小は背部に, 極大は左前胸部に認めた. 前壁型及び側壁型では極小は極大より高く, 後壁型では極小は極大より低く位置した. 左室後中隔型では極小は右腋窩部に, 極大は左前胸部にみられた. 右室前中隔及び後中隔型では極小はそれぞれ前胸部上方及び下方にあり, 極大はいずれの場合も左腋窩部にみられた. 右室前壁, 側壁, 後壁型では極小は左前胸部にみられた. 前壁型では極小は上方に, 後壁型では極小は下方にみられた. 極小及び極大の位置は副刺激伝導路の部位ごとに特徴的な所見を示し, 極小と極大の位置関係に従って零線もU字型, 平行線, 逆U字型などの所見が認められた. 更に副刺激伝導路の簡略な部位診断方法として, 体表面上に一連の帯状の地域を想定し, 副刺激伝導路の部位別にこれも細分し, それぞれのデルタ波40msecにおける極小の出現位置を定めた. |