アブストラクト(32巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 右冠動脈に狭窄病変を有するAnnulo-aortic ectasiaの1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 榊原哲夫, 広瀬一, 中埜粛, 松田暉, 安達盛次, 佐藤重夫, 谷口和博, 加藤寛, 松村龍一, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 4
Page : 582-587
Year/Month : 1984 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 右冠動脈に狭窄病変を有するannulo-aortic ectasiaの1例に対して, Bentallの手術と大動脈-冠動脈バイパス手術を併せ施行した. 症例は労作時動悸と前胸部痛を主訴とする52歳の男性であり, 大動脈造影でannulo-aortic ectasiaを, 冠動脈造影で右冠動脈の90%狭窄を証明された. この症例に対し, 30mm Cooley graftと27mm Bjork-Shiley disc valveを用いたBentall手術をするとともに, 上行大動脈の上部から右冠動脈に大伏在静脈を用いてバイパスを作成した. 術後経過は順調で, 術後心血管造影検査で人工血管と冠動脈の吻合部及び右冠動脈へのグラフトの開在が確認された. Bentall手術に大動脈-冠動脈・バイパス術を併せ施行した症例は本邦においてはまれで, 自験例を含め4例にすぎない. annulo-aortic ectasiaは上行大動脈に限局する疾患ではないことを考慮すると, 上行大動脈上部に吻合したグラフトの開存性について, 長期にわたる検索が必要であると思われる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : annulo-aortic ectasia, 右冠動脈狭窄, Bentall手術, 冠動脈-大動脈バイパス手術, 人工弁付人工血管
このページの一番上へ