アブストラクト(32巻6号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 肺動脈合流部欠損を伴う肺動脈閉鎖症小児に対する, 側枝つき心外導管使用による1根治手術成功例 |
---|---|
Subtitle : | 症例 |
Authors : | 高野信篤, 塩入祐世, 竹内成之* |
Authors(kana) : | |
Organization : | 国立東京第2病院心臓血管外科, *慶応義塾大学医学部外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 32 |
Number : | 6 |
Page : | 948-953 |
Year/Month : | 1984 / 6 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 肺動脈合流部欠損を伴う肺動脈閉鎖に対し, 側枝つき心外導管手術を施行し, 経過良好な1例を経験したので報告する. 患者は6歳男児で, 生下時よりチアノーゼを呈し, 生後8ヵ月で右ブレイロック手術を施行された. 心カテーテル検査で心室中隔欠損, 肺動脈閉鎖, 肺動脈合流部欠損を認め, 肺動脈への血行は右は側副血行, 左は動脈管より灌流されていた. 肺門部での肺動脈径は, 両側ほぼ正常であった. 手術は側副血行をembolizationにより遮断したのち20mm Hancock弁つきconduitに側枝をつけ, 主管は大動脈後面を通し, 右肺動脈に, 側枝は左肺動脈に吻合した. 本症は極めてまれな疾患とされているが, 最近のMayo Clinicの報告によれば, 従来想像されていたより多くの症例の存在が示唆されている. 肺動脈閉鎖症を診る場合, 常に合流部欠損の存在を念頭において治療をすすめるべきと考える. 肺動脈閉鎖症の手術治療は, Rastelliら1)により1965年自己心膜使用による導管手術法が発表されて以来, 現在の心外導管手術法の隆盛をみるに至っている. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 肺動脈閉鎖症, 肺動脈合流部欠損, Rastelli手術, 側枝つき心外導管手術, Embolization |