アブストラクト(32巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 鈍的外傷による急性左心室破裂の1手術救命例
Subtitle : 症例
Authors : 中江純夫, 田中秀治, 和田貴子, 松田博青, 立川勲*
Authors(kana) :
Organization : 杏林大学医学部救急医学・救命救急センター, *杏林大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 6
Page : 965-968
Year/Month : 1984 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 45歳の男性で自動車運転中の事故により胸腹部を強打し, 心破裂による心タンポナーデと腹腔内出血が疑われた. 開腹術にて著明な肝挫傷以外に異常所見はなく, 経横隔膜的心膜切開により多量の心膜内血液を排除した. 胸骨正中開胸にて, 左心室心尖部に約1.5cm大の破裂口を認め, これを縫合閉鎖し救命し得た. なお, 集計し得た心室破裂の8例とともに文献的考察を加えた. 心破裂の救命には, 心破裂の存在を疑うこと及び早期手術とが重要である. 鈍的外傷性左心室破裂の手術救命例として, 本症例は世界で4例目, 且つ本邦では最初の報告例と思われる. 鈍的外傷による急性心臓自由壁破裂(以下心破裂という)の手術救命例の報告は少ないが, 殊に心室破裂例の報告は極めて少ない. 現在までに, 我々は8例の心室破裂手術救命例1)~8)を集計し得たにすぎない. 本稿では, 鈍的胸腹部外傷により左心室破裂を来した1例を手術にて救命し得たので報告し, 併せて鈍的外傷性心室破裂手術救命例について文献的に考察する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 鈍的外傷, 心破裂, 左心室破裂, 心タンポナーデ, 手術救命例
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