アブストラクト(32巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 感染性心内膜炎の外科治療 手術適応及び時期について内科治療との比較検討
Subtitle : 原著
Authors : 青柳成明, 赤川治夫, 田尻敏行, 磯村正, 小須賀健一, 大石喜六, 古賀道弘
Authors(kana) :
Organization : 久留米大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 7
Page : 1012-1017
Year/Month : 1984 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 抗生物質の発達, 弁置換手術の導入により, 感染性心内膜炎の死亡率は著しく低下している. しかし手術に伴う合併症など多くの問題点を有している. 教室で手術を行った自己弁感染性心内膜炎23例及び当大学内科で内科治療のみ行った自己弁感染性心内膜炎14例について検討した. 外科治療23例では, 炎症活動期に手術を行ったもの7例, 治癒期に手術を行ったもの16例であった. 生存例では術後合併症もみられず遠隔成績も良好であった. 死亡4例(活動期手術3例, 治癒期手術1例)では, 手術時期(2例)と手術手技(2例)に問題があった. 内科治療14例では, 心不全を示さなかった5例は, 全例救命できた. しかし, 心エコー図でvegetationを認めたものでは栓塞症の発症をみた. digitalis剤のみで心不全がコントロールされた3例では, 抗生物質の効果がみられなかった2例は敗血症で死亡した. 心不全の治療にdigitalis剤のほかに薬剤を必要としたもの6例では, 全例心不全で死亡した. ’また, 罹患弁では大動脈弁感染例の内科治療成績は著しく不良であった. 以上より, 1)心不全を認め, その治療にdigitalis剤のほかに薬剤を必要とする症例, 特に大動脈弁感染例. 2)内科治療に抵抗して感染が持続する症例. 3)vegetationを有する症例では, 炎症活動期でも直ちに手術に踏み切るべきと考えている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Infective Endocarditis, Host Valve Endocarditis, 弁置換手術, 感染性心内膜炎
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