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北川陽一郎, 門田康正, 中原数也, 谷岡恒雄, 南城悟, 大野喜代志, 藤井義敬, 三好新一郎, 正岡昭*, 川島康生 |
| Abstract ： |
胸腺腫117例の予後を手術々式, 合併疾患及び臨床病期との関連性において検討した. 全症例の1生率は85.7%, 5生率は76.4%, 10生率は67.7%であった. 術式別予後では全摘, 亜全摘, 非切除の各5生率は84.8%, 66.0%, 20.8%であり, 非切除例の予後が全摘, 亜全摘例に比して有意に不良であった. 病期別に予後をみるとI期からIV期までの各5生率は78.9%, 79.3%, 76.2%, 41.0%であり, IV期例の予後が有意に不良であった. III期の特に非切除例の浸潤様式について検討したところ, 上大静脈浸潤を7例中6例(85.7%)に認めた. これらの予後は不良で全例が腫瘍死であった. 重症筋無力症合併の有無による予後の比較では重症筋無力症合併例にI期, II期の早期例が多く, 非合併例に比して予後は良好であった. しかし, 重症筋無力症合併例及び非合併例の両者の生存率には有意差をみなかった. 胸腺腫の予後を左右する因子としては, 胸膜又は心嚢内播腫や上大静脈浸潤の有無が重要と考えられた. |
