アブストラクト(32巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 拍動流灌流装置(Centrifugal type)と無拍動流灌流装置との比較検討 特にBIO-Consol Model 520Aについての実験的研究
Subtitle : 原著
Authors : 中岡康
Authors(kana) :
Organization : 日本大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 7
Page : 1054-1064
Year/Month : 1984 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Centrifugal type拍動流灌流装置であるBIO-Consol Model 520A(以下BIOポンプと略す)を使用し雑種成犬に6時間の体外循環を行って性能実験を行った. BIOポンプはcompactで操作も簡単でありベッドサイドで使用でき, ECMOなどの補助循環装置として使用することも考慮し送血部位と方法を上行大動脈よりの拍動流灌流群(A群), 大腿動脈よりの拍動脈灌流群(B群), 大腿動脈よりの無拍動流灌流群(C群)の3群に分けて1)溶血, 2)尿量, 3)BUN, 4)血漿レニン活性, 5)GOT, GPT, 6)インスリン, 7)カテコラミンについての比較も併せて行った. BIOポンプはモーターの本体とポンプヘッド(ディスポーザブル)よりなりポンプヘッド内のconeをamplitudeとrateを調節して回転させると拍動流となる. 無拍動流から拍動流への移行がスムーズである. 動脈カニューレの径が十分であれば30mmHg以上の脈圧と100ml/min-10l/minの流量が可能であった. 欠点は圧波形が生理的波形と比較すると, 立ち上がりが急峻ではなかった. また十分な径の動脈カニューレを使用できない場合は送血回路内圧が上昇し血液がポンプヘッド内で空転し溶血が生じた. 尿量は体外循環(以下ECCと略す)開始後1時間から6時間までA, B群はC群に比し良好(6時間値A-C:p<0.01, B-C:p<0.01)であった. BUNはECC後1時間~6時間までA, B群ともに安定, C群は4時間以後高値となった(6時間値A-C:p<0.01, B-C:p<0.01)血漿レニン活性はB群が最も安定値を示した(6時間B-C:p<0.01)GOTは3群ともに時間ごとに上昇し有意差はなかった. GPTはECC後1時間~6時間までA, B群ともに正常で安定していたがC群は5時間後より高値を示した(6時間A-B:p<0.01, B-C:p<0.01). インスリン値はA群のみ3時間後より上昇しなかった(6時間A-C:p<0.01)カテコラミンはB, C群間で比較したが有意差はなかった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 拍動流灌流装置, 無拍動流灌流装置, BIO-Consol Model 520A, Centrifugal type pump
このページの一番上へ