アブストラクト(32巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 左心室内伏針の1治験例 心内伏針に対する心断層エコー検査の有用性
Subtitle : 症例
Authors : 星野修一, 大澤幹夫, 天野茂夫, 西口克彦, 酒井吉郎*
Authors(kana) :
Organization : 聖隷浜松病院心臓血管外科, *聖隷浜松病院循環器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 7
Page : 1086-1089
Year/Month : 1984 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 左心室内伏針の1例を経験し, 断層心エコー法による術前診断が手術手技及び心臓切開部位などの方針決定に極めて有用であったので報告した. 症例は17歳の男子高校生. 1年前より精神分裂病のため内服薬治療中であった. 針を左前胸部に自分で刺入し, 4日後に針を抜くために当院を受診した. 胸部レントゲン写真にて心陰影内に針の陰影を認め, 断層心エコー図にて, 右室心尖部より心室中隔を貫ぬき, 左室腔内に達する針と, その周囲及び左室後壁に血栓像を認めた. 伏針の正確な位置と血栓の存在が判明したため, 心血管造影などは不用と判断した. 刺入8日後, 体外循環下に, 左室心尖部を切開し, 針と左室腔内の血栓を除去した. 術後経過は良好で, 術後17日目に退院した. 全経過中, 塞栓症や細菌性心内膜炎の徴候は見られなかった. 超音波装置の進歩に伴い, 診断領域における超音波検査の重要性は増大している. 今回, 左心室内伏針の1例を経験し, 断層心エコー法により, 部位診断と手術手技及び心臓切開部位の決定に有用であったので, 若干の文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 左心室内伏針, 左室腔内の血栓, 超音波断層心エコー図
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