アブストラクト(32巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 広背筋有茎筋弁を応用した胸部食道癌における気管合併切除術の1例
Subtitle : 症例
Authors : 川原英之, 藤田博正, 永田真人, 村上勝, 吉松博, 馬場謙介*
Authors(kana) :
Organization : 産業医科大学第2外科, *産業医科大学第2病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 7
Page : 1090-1096
Year/Month : 1984 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 食道癌切除術に縦隔内気管(10気管輪)を合併切除し, 一期的に食道及び気管の再建術を行った症例を報告する. 症例は44歳の男性で, 呼吸困難と嚥下障害を主訴とし, 食道透視と内視鏡検査の結果, Ei Imに腫瘤型食道癌を認めた. また, 気管支鏡検査では下部気管に内腔の2/3を占める腫瘤が確認された. この気管内腫瘤に対し, 抗癌剤の局注及び放射線照射がなされ, 呼吸困難の改善を待って手術が施行された. 手術は右開胸開腹食道亜全摘, 10気管輪合併切除, 胸骨後食道胃吻合術, 気管端々吻合術が行われた. この際, 開胸に先立ち, あらかじめ30×5cmの広背筋有茎筋弁を作成し, 第3肋骨床より胸腔内に挿入し, この筋弁により気管吻合部を被覆, 補強する術式が試みられた. 術後第19病日まで, 気管内挿管と補助呼吸が必要であったが, 食道と気管の両吻合部とも縫合不全はなく, 経過良好であった. 呼吸器外科における気道再建手術は, 現在では, ほぼ安全な術式として確立され, 広く行われるようになってきた1).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 食道癌他臓器合併切除, 気管・気管支形成術, 広背筋有茎筋弁
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