アブストラクト(32巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 超音波断層法による完全大血管転位症の術後経過に関する研究 ―術後の心内構造及び心機能評価―
Subtitle : 原著
Authors : 小川實, 広瀬一*, 島崎靖久*, 中埜粛*, 松田暉*, 加藤寛*, 佐野哲也, 森本静夫**, 有沢淳**, 川島康生*
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部小児科, *大阪大学医学部第1外科, **大阪大学医学部放射線科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 8
Page : 1143-1150
Year/Month : 1984 / 8
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 心房内血流転換術を施行したTGA 10例に超音波断層検査を施行し, 以下の成績を得た. 1. 本症術後例では右室の著しい拡大と左室の狭小化を認めた. また季肋下より両心室の形態及び心室中隔の位置を見ると, 左室圧の低い例では右室の著しい拡大と心室中隔の左室側への偏位を認め, 左室が狭小化し, 正常心と逆の心室形態を示していた. 一方, 左室圧の高い例では心室中隔は両心室のほぼ中央に位置し, 左室腔の狭小化は認めなかった. 2. 季肋下よりの断層像より左右心室断面積比を求め, 左右心室容積比・収縮期圧比と比較した. 左室・右室拡張末期面積比は0.71±0.17(平均±SD)であった. 一方, 左室・右室拡張末期容積比は0.64±0.32であり, これらの間には良好な正の直線相関を認めた. (r=0.96, p<0.001). また左室・右室収縮期圧比は0.53±0.31であり, これは左室・右室拡張末期面積比との間に良好な正の直線相関を認めた(r=0.91, p<0.001). 以上から, 超音波断層法を用いて左室・右室拡張末期面積比を求めることにより, 左室・右室拡張末期容積比及び収縮期圧比の推測が可能であった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 完全大血管転位症, 心房内血流転換術, 超音波断層法, 季肋下両心室短軸断層
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