アブストラクト(32巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 先天性左冠動脈主幹部閉鎖症の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 榊原哲夫, 広瀬一, 中埜粛, 松田暉, 白倉良太, 島崎靖久, 佐藤重夫, 小林順二郎, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 8
Page : 1245-1252
Year/Month : 1984 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 先天性左冠動脈主幹部閉鎖症に対して大伏在静脈を用いて, 大動脈-冠動脈・バイパス術を行い, 満足すべき結果を得たので報告する. 症例は走行時の失神発作を主訴とする8歳の女児で, 運動負荷時心電図でV4-V6に著明なSTの低下を認めた. 冠動脈造影では, 左冠動脈主幹部は閉塞しており, それより末梢は右冠動脈から側副血行路を介して良好に造影された. 大伏在静脈を用い大動脈から左前下行枝にバイパス手術を施行した. 術後経過は順調で, 現在失神発作はなく, 元気に通学している. 術後冠動脈造影では, 左冠動脈は開存しているグラフトから造影され, 右冠動脈よりの側副血行路は消失していた. 心奇形を合併しない先天性左冠動脈主幹部閉鎖症(congenital atresia of left main coronary artery)は, 極めてまれな疾患である. 本症の外科治療については, 1972年Mullinsら1)により, 本邦においては1976年瀬在ら2)により報告されて以来, 著者らが調べ得た限りにおいては, 文献上自験例を含め9例を数えるのみである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 左冠動脈主幹部閉鎖症, 大動脈-冠動脈バイパス手術, single coronary artery, 失神発作
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