アブストラクト(32巻8号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 一期的に2ヵ所で吻合を行った気管狭窄の1例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 菊池功次, 石原恒夫, 小林紘一, 深井志摩夫, 加勢田静, 柳内登* |
Authors(kana) : | |
Organization : | 慶応義塾大学医学部外科, *国立療養所晴嵐荘病院 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 32 |
Number : | 8 |
Page : | 1259-1262 |
Year/Month : | 1984 / 8 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 16歳の少年に, 気管切開後, 気管切開口周辺にmalaciaによるstomal stenosisと気管カニューレの先端の刺激によるtip stenosisが同時に発生した. この症例に対して, 一期的に2ヵ所の狭窄部を切除し, 気管を再建した. 縦隔内気管の瘢痕狭窄部は三気管輪含めて全周切除したのち端々吻合し, 気管切開口周辺のmalaciaの部分は膜様部を残して軟骨の変性した気管を亜全周切除したのち端々吻合と同じ方法で吻合した. 同時に離れた2ヵ所で気管を全周切除すれば端々吻合により再建しても間の気管は遊離自家移植片と同じ状態になり, 器管の生着は危まれる. 我々は気管の栄養血管が膜様部に近い気管側壁から気管内に入ることに留意し, 一方の気管狭窄部を軟骨部のみの切除にとどめ, 膜様部を残した. その結果, 2ヵ所の吻合部は通常のごとく治癒し, 間の気管に血流障害に基づく変性は起こらなかった. 腫瘍や肉芽狭窄に対する気管形成術は今日では多数報告されているが, 同時に2ヵ所に病変がある場合の再建方法についての報告は少ない. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 多発性気管狭窄, 気管形成, 気管環状切除 |