アブストラクト（32巻8号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 急性両側下肢虚血を合併した解離性大動脈瘤IIIbの1治験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 大平政人, 大池恵広, 田中信行, 岩喬* |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 大船共済病院胸部心臓血管外科, *金沢大学医学部第1外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 32 |
| Number ： | 8 |
| Page ： | 1263-1267 |
| Year/Month ： | 1984 / 8 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 解離性大動脈瘤の急性期には下肢虚血を来すことがあっても, 両側下肢の完全血行遮断の合併は極めてまれである. 今回, 著者らは50歳, 男性で胸痛, 両側下肢の虚血症状を主訴として来院し, 腹部大動脈以下の動脈分枝のdetachmentと両側下肢完全阻血を合併した急性解離性大動脈瘤IIIb型の症例を経験した. 本例に対し, まず一期手術としてfenestrationと腹部大動脈より両側大腿動脈へ18×9mmY字型グラフトによる両側下肢血行再建を施行した. 更に3ヵ月後, 左鎖骨下動脈下に22mmリング付グラフト内没を行い, 解離腔入口部の閉鎖を行い, 二期的に治癒せしめた. 出血性ショックを伴わない解離性大動脈瘤は薬物治療を主とした降圧療法にて急性期を軽快せしめることが可能である. しかし大動脈解離とともに主要分枝の閉塞と支配領域の咀血が致命的となる場合は緊急外科治療を要することとなる. 今回, 著者らの経験した症例は解離腔の圧迫により腹部大動脈に閉塞を来し, 急性両下肢の血流完全遮断による両側下肢急性阻血を招いたものと考えられた. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | fenestration, Y字グラフト, 急性両側下肢阻血, リング付グラフト内没, 急性解離性大動脈瘤IIIb |
