アブストラクト(32巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 二弁に穿孔を認めた活動期感染性心内膜炎の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 江石清行, 松尾浩三, 藤原直, 橋本政明
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医大心研外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 8
Page : 1268-1273
Year/Month : 1984 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は20歳男性で, 入院時炎症所見が強く血液培養でstreptococcus viridanceを認めた. また心エコーで大動脈弁の穿孔, 及び僧帽弁前尖の弁瘤エコーを認めた. その後四肢の塞栓症を繰り返し, 心聴診でgallop rhythmを聴取するようになり, 更にCTRの増加が認められたので緊急手術で二弁置換を行った. 大動脈弁は萎縮肥厚し, 右冠尖に小疣贅及び2×3mmの穿孔, 左冠尖にも3×3mmの穿孔を認めた. 僧帽弁前尖には, 中央に直径7mmの穿孔劃する弁瘤を認め, 大動脈弁の穿孔後僧帽弁の弁瘤破裂を起こしたものと考えられた. Karpらの提唱するように, 大動脈弁に病変を有する感染性心内膜炎においては, そのdrop lesionとして僧帽弁に病変を有する場合が多く, 経過中には僧帽弁, 特に前尖を心エコーにより頻回に検査し, 術中にも詳細に観察する必要がある. 感染性心内膜炎は心内膜や弁膜を侵し, 疣贅や破壊を伴う疾患であるが1)2), その病変部位, 及び破壊の程度は様々である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 活動期感染性心内膜炎, 僧帽弁瘤, 二弁置換術, drop lesion, 手術適応
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