アブストラクト(32巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 僧帽弁閉鎖不全症の左心室収縮能の研究 ―特に左心室収縮末期容量係数との関連から見た手術適応の考察―
Subtitle : 原著
Authors : 大橋博和, 北井公二, 清水幸宏, 村田紘崇, 岡良積, 末広茂文, 青木啓一, 山下克彦, 小川信行, 宮本巍
Authors(kana) :
Organization : 兵庫医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 9
Page : 1293-1299
Year/Month : 1984 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 僧帽弁閉鎖不全症30症例を対象として, その手術前後の左心室収縮能を検討し, 正常群19例と比較対照した. 更に手術前のLVESVI(ml/m2 BSA)と術後の各指標値との相関を検討して, その手術適応に考察を加えた. EFは術前値0.59±0.08(p<0.01対正常値0.66±0.07)から術後0.51±0.09(p<0.001対正常値, p<0.01対術前値)に低下した. mVCFは術前値1.00±0.24(p<0.05対正常値1.17±0.22)から術後は0.84±0.20(p<0.001対正常値, p<0.05対術前値)に悪化した. NMSERも術前値2.01±0.50(p<0.05対正常値2.34±0.38)から術後は1.71±0.34(p<0.05対術前値)に低下が認められた. Cont Idxは術前0.63±0.13(p<0.001対正常値0.83±0.10)で術後は0.61±0.15(p<0.001対正常値)を示した. またlog(LVESVI)と術後のEF(r=-0.808, p<0.001), mVCF(r=-0.688, p<0.05), NMSER(r=-0.786, p<0.005), 及びCont Idx(r=-0.782, p<0.01)との間でそれぞれ統計上有意な負の相関が認められ, LVESVIは手術後の左室収縮能の予測に極めて有用であることが示された. 更にEFとCont Idxの2つの指標値の回帰分析からはLVESVIが40ml/m2 BSAが手術適応の基準, また50ml/m2 BSA以上が予後不良群と考えられた(数値はM±SD).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 僧帽弁閉鎖不全症, 左心室収縮能, 左心室収縮末期容量係数
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