Title : |
動脈管結紮術により救命し得た横隔膜ヘルニア術後の胎児循環遺残(PFC)の1例 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
井原勝彦, 前田世礼, 大谷正勝, 笹子佳門, 木下正之, 中場寛行, 高尾哲人*, 宮川周士*, 柏井洋臣**, 志賀清悟**, 下山田洋三**, 中村正作*** |
Authors(kana) : |
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Organization : |
社会保険紀南綜合病院心臓血管外科, *社会保険紀南綜合病院外科, **社会保険紀南綜合病院小児科, ***社会保険紀南綜合病院循環器科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
32 |
Number : |
9 |
Page : |
1375-1380 |
Year/Month : |
1984 / 9 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
生下時早期より重篤な呼吸不全を発症する横隔膜ヘルニアは, その手術成績も極めて不良である. 特に生後24時間以内手術例の死因の大部分は胎児循環遺残(PFC)であると報告されている. 著者らは生直後より呼吸不全を発症した横隔膜ヘルニア(Bochodalek hernia)の男児に対し, 第5肋間開胸経由にてこれを閉鎖し, PFC症例群を呈した動脈管(直径9mm)をTolazoline持続投与下にて結紮治癒せしめたので報告する. 横隔膜ヘルニア閉鎖術を経腹的に行うか, 経胸的に行うかは論のあるところであるが, 少なくとも生後24時間以内手術死亡の多くがPFC症候群を呈し, その動脈管の処理が同時に必要と考えられるならば経胸的到達法が選択されるべきである. また, PFC症候群を呈した動脈管の取り扱いに関して, Tolazoline併用は術後の呼吸循環管理に多大の効果を発揮するものと考えられる. 生下時より重篤な呼吸不全を呈する横隔膜ヘルニアは, その手術成績も不良であり1), 特にその死因の大部分にPFC(persistent fetal circulation)が関与していると言われている2)5). 著者らは出生直後より呼吸不全を呈した横隔膜ヘルニアの男児に, 生後6時間後, 経胸的にこれを閉鎖し, 術後PFC症候群を呈した動脈管をTolazoline投与下に結紮根治せしめたので報告する. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
横隔膜ヘルニア, 胎児術環遺残, Vasodilator, 動脈管結紮術, 肺高血圧症 |