アブストラクト(32巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : エルゴノビン負荷冠動脈造影で冠動脈の攣縮を証明し得たA-Cバイパス術後狭心痛残存症例
Subtitle : 症例
Authors : 榊原哲夫, 広瀬一, 中埜粛, 辻和夫*, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科, *阪和記念病院
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 9
Page : 1400-1405
Year/Month : 1984 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : A-Cバイパス術後残存狭心痛の原因が, グラフトを施行されたnative coronary arteryの攣縮であることを造影上明らかにし得た2症例を報告する. 症例1. 側壁梗塞後, 安静時狭心痛が持続する62歳の男性である. 冠動脈造影上, 左前下行枝(LAD), 第一対角枝に, それぞれ90%の狭窄を認め, 2本のA-Cバイパス術を施行した. 術後6ヵ月目より, 安静時狭心痛出現し, グラフト造影上, グラフトは2本とも開存していたが, エルゴノビン負荷後造影により, LADの攣縮が証明された. 症例2. LADと回旋枝(CX)に, それぞれ75%の狭窄と右冠動脈の完全閉塞を有する49歳の不安定型狭心症例である. LADとCXに2本のA-Cバイパス術を施行した. 術後2年目に安静時狭心痛が出現, 冠動脈造影上2本のグラフトは開存していたが, エルゴノミン負荷後造影により, LADの攣縮が証明された. 虚血性心疾患に対するA-Cバイパス術の狭心痛寛解効果についてはもはや疑を入れないが, A-Cバイパス術後においても, なお30~50%の症例において症状が残存するといわれている1)2).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : A-Cバイパス術, 狭心痛残存, エルゴノビン負荷, 冠動脈攣縮
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