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弁膜症に伴う三尖弁逆流は多いが, 三尖弁狭窄症(TS)は, 特に本邦においてはまれである. 教室で経験したTSは, 11年間で13例で, この間の弁膜症手術例の1.2%に当たる. 手術時平均年齢49.1歳, 男女比2：11であった. 診断方法として, 右室造影とドップラー心エコーの有用性と, その所見を述べた. 三尖弁外科治療は, 三尖弁置換術1例, 弁形成術10例, 放置例2例であった. 弁形成術として, DeVega法のみ4例, Reed法のみ1例, 直視下三尖弁交連切開術(OTC)1例, OTC+De Vega法3例, OTC+Reed法1例, であった. 術後狭窄の解除は良好であったが, 4例に中等度のTRを残した. また, 放置例は1例が不変, 1例が増悪した. 術前後の心機能の比較では, 全例, 左心系の改善は良好であった. また, 右房圧の改善も良好であった. 術後TR改善不良例の右室容積縮小率はTR改善例に比して悪かった. 以上よりTSに対して, 弁形成術にて狭窄の解除は得られたが, 残存TRに関しては必ずしも満足できなかった. 右心機能改善のためにも積極的にTSに対して外科治療を加えるべぎと思われた. |
