アブストラクト(32巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : B型WPW症候群における術中ケント束部位の検出法 ―心表面マッピング自動表示システムの応用
Subtitle : 原著
Authors : 河村剛史, 福井康裕*
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学胸部外科, *東京電機大学理工学部
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 10
Page : 1835-1842
Year/Month : 1984 / 10
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Wolff-Parkinson-White(WPW)症候群のケント束切断手術において, 術中の心表面マッピング法はケント束の切断部位の決定になくてはならない方法である. しかしながら, 従来の人手による心表面マップの作成では, 手術中の制限された時間内にケント束部位の正確な情報を提供することは難しい. 我々は, 既にマイクロコンピューターを使った心表面マッピング自動表示装置を開発したが, 今回, B型WPW症候群3例に対して本装置を応用し, 術中のケント束の存在部位を的確に検出することができた. ケント束の検出法は, まずケント束の順行性伝導による心室心表面房室間溝側の異常早期興奮部位を検出し, 次いで心室ペーシングを行い, 心房心表面房室間溝側へのケント束の逆行性伝導による早期興奮部位を検出した. これにより大まかなケント束の存在部位を定め, 次いで心房及び心室の房室間溝側の局所の興奮伝播時間を測定し, ケント束の存在部位を更に限定することができた. 3症例は右側の前傍中隔側, 前面自由壁, 後傍中隔側であったが, 房室間溝部の心外膜側からのアプローチのみで人工心肺装置を使わずにケント束を切断することができた. 本装置の開発により, 術者自身の手で, 術中に何度でも繰り返して納得がいくまで正確なケント束の存在部位の検出を行うことが可能となった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : B型WPW症候群, ケント束の検出法, オンラインマッピング, 心外膜アプローチ法, 右房心表面マッピング
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