アブストラクト(32巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 食道アカラシアに合併した食道癌の4症例の外科治療
Subtitle : 症例
Authors : 加藤抱一, 飯塚紀文, 渡辺寛, 平嶋登志夫*, 板橋正幸**
Authors(kana) :
Organization : 国立がんセンター病院外科, *国立がんセンター病院内科, **国立がんセンター病院研究所病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 10
Page : 1850-1856
Year/Month : 1984 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 食道アカラシアに合併した食道癌の4症例を報告した. 3例が男性, 1例が女性であり, 年齢は48歳から74歳までであった. 74歳の症例は本邦報告のアカラシア合併食道癌症例中の最高齢症例であった. 全例扁平上皮癌であり, 占居部位は胸部上部食道3例, 胸部下部食道1例であった. 我々の症例の特徴は, 比較的早い時期に癌が発見されたものが2例あることもあって, 全例切除及び再建術の施行が可能であったこと, 更に, 比較的良好な予後が期待できることである. 現在1例が術後14年10ヵ月健在であり, 他の2例も比較的長期生存が期待できる症例であった. このように, 癌の発生を早く発見して, 根治手術が行い得るように, 食道アカラシアの長期にわたる慎重なfollow upの重要性を強調した. 食道アカラシアには, 高頻度に癌が合併すると言われており1)~4), 欧米では, かなり多くの症例が報告されているが, 本邦ではまだ報例はそれほど多くない. 食道アカラシアに合併した食道癌は, 発見された時は既に高度の進行癌となっており, 切除不可能な症例が多く, 大部分は予後不良であるといわれている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 食道アカラシア, 食道癌
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