アブストラクト(32巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 急性右心不全に対する肺動脈バルーンパンピング法の検討
Subtitle : 原著
Authors : 山内茂生
Authors(kana) :
Organization : 日本医科大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 11
Page : 1893-1901
Year/Month : 1984 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 犬を用いて実験的に冠動脈結紮による右室流入路自由壁梗塞と更に容量負荷による急性右心不全を作成して肺動脈バルーンパンピング法pulmonary artery balloon pumping(PABP)が右心機能改善の治療, 補助手段と成り得るか否かを検討した. また同時にPABPの肺組織に対する影響を光学顕微鏡を用いて検索を加えた. 右室流入路自由壁梗塞にて右室収縮期圧, 右折圧dp/dt, 右室心筋圧, 右心拍出量, 右室仕事量はそれぞれ低下し, 心拍数, 大動脈血流量, 収縮期圧, 拡張期圧も低下し右室自由壁傷害が左心機能に影響を及ぼすことが確認された. 右室拡張末期圧は急性期実験のためか有意の増加は認められなかった. PABPは容量負荷, 右室梗塞及び右室梗塞+容量負荷の条件下で最もその効果が認められ, 中心静脈圧の低下, 右心拍出量及び右室仕事量も増大し右心機能改善の有力な補助手段と成り得ることを示した. PABPにより大動脈血流量の増加傾向を認めるものの心拍数, 血圧の変化はなく左心機能には直接的にあまり影響を及ぼさないものと考えられた. 肺組織への影響は比較的太い肺動脈周囲性の軽度の浮腫が認められたが, 肺胞性の浮腫はなくreversibilityは十分あると考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺動脈バルーンパンピング法, 右室流入路自由壁梗塞, 右心不全
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