Title : |
重症川崎病心疾患の手術:内胸動脈―冠動脈バイパスを併用した小児初成功例について― |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
北村惣一郎, 大山朝賢, 河内寛治, 宮城康夫, 森田隆一, 金烱澤, 西井勤, 小林修一, 南渕明宏 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
奈良県立医科大学第3外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
32 |
Number : |
11 |
Page : |
1996-2003 |
Year/Month : |
1984 / 11 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
左右冠動脈の石灰化を伴い巨大な多発性瘤と90%を越える多発性狭窄を有し狭心症, 頻発する心室性期外収縮, 僧帽弁閉鎖不全を合併した6歳男子重症川崎病心疾患の手術を行った. 手術は内胸動脈-左前下行枝バイパス, 自己大伏在静脈を用いた大動脈-右後下行枝バイパス, 僧帽弁置換術である. 術後回復は良好で早期検査でグラフトはすべて良好に開存していた. 川崎病小児に対する自己大伏在静脈を用いた冠動脈バイパスの長期開心率は不良であり, その閉塞は遠隔期死亡の原因ともなっている. この原因は不明であるが小児の成長心に対する非成長性グラフト, 小児特有の代謝によるグラフトの変性などが考えられる. これに対し「生きている」内胸動脈グラフトは代謝による経時的変化を受け難く, また成長する可能性が高く, 小児冠動脈バイパスの材質としては大伏在静脈より優れたものと考えられる. しかし小児ではその使用が困難と考えられていたためいまだ成功例はなく, 本例が初成功例である. 更に本瓦では内胸動脈グラフトと大伏在静脈グラフトの両者が用いられておりともに良好な早期温存をみているので, その遠隔期追跡は両者の優劣を見る貴重な資料を提供してくれるものと考えられる. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
川崎病, 冠動脈瘤, 僧帽弁閉鎖不全症, A-Cバイパス, 内胸動脈冠動脈バイパス |