Abstract : |
僧帽弁置換術後のPerivalvular leakageは1.6~6%1)~5)の頻度で発生する重篤な合併症の1つである. 最近我々は, MVRの再弁置換後に左房後壁の解離を伴うperivalvular leakageを来した症例を経験し, 左開胸経路によって手術を行い治癒せしめたので, 若干の文献的考察を加えて報告する. MVR後の左房解離は非常にまれであり, 左心不全, 血栓, 心内膜炎, 破裂などを併発する可能性があり予後不良とされている. 我々の症例はperivalvular leakageに関連して発生しており, 左室瘤との鑑別に難渋した. 手術は3度目であり, 高度な癒着が予想されたため左開胸経路よりアプローチしたところ良好な視野が得られ, 容易にperivalvular leakage及び左房解離を修復することができたので報告する. 「症例」患者:33歳, 女性 主訴:僧帽弁再弁置換後の心雑音 既往歴:特になし 現病歴:昭和47年(22歳時)僧帽弁閉鎖不全症並びに三尖弁閉鎖不全症の診断でStarr-Edward(4M)によるMVR+三尖弁輪縫縮術を受けた. |