アブストラクト(32巻11号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 左胸腔内に破裂した良性縦隔奇形腫の1治験例 胸腔内破裂に関する本邦報告例の文献的集計 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 龍村俊樹, 山本恵一, 津田基晴, 小山信二, 杉山茂樹, 木元文彦 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 富山医科薬科大学第1外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 32 |
Number : | 11 |
Page : | 2013-2020 |
Year/Month : | 1984 / 11 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 左胸腔内に破裂し, 胸水の貯留をみた良性奇形腫の1例を報告するとともに, 胸腔内破裂を伴う奇形腫に関する国内報告例の集計を試みた. 症例は29歳女性で, 突然の胸痛を発し, 咳嗽及び呼吸困難を訴えて来院した. 左前側開胸にて, 腫瘍の剔出を行い全治せしめ得た. 本例は腫瘍組織内に膵組織の存在が認められ, しかも胸水中にアミラーゼが検出されたが, 隣接臓器への穿孔はなかった. 胸腔内破裂をみた奇形腫は, 現在までに国内では, 8例が報告され, 本例を加えると9例となる. 破裂した胸腔の左右差はみられず, 男女差もなかった. その発生年齢にも一定の傾向はみられず, どの年齢層にも発生し得るとの所見を得た. 胸水は膿性のものから, 滲出液あるいは血性などのものがあったが, 菌培養の行われた症例では, いずれも陰性であった. 記載のある症例では, いずれも一般的な開胸法にて腫瘍の剔出を行っている. 縦隔腫瘍中, 奇形腫は, 本邦では胸腺腫と並んでその発生率が最も高く, しかも良性のものの占める割合が多いことは周知である. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 良性奇形腫, 胸腔内破裂, 奇形腫内膵組織 |