アブストラクト(32巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : レーザー気泡検出装置による体外循環時の微小気泡の測定
Subtitle : 原著
Authors : 村田修一
Authors(kana) :
Organization : 金沢大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 12
Page : 2049-2059
Year/Month : 1984 / 12
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 体外循環時に人工肺から発生する微小気泡を検出する目的で, レーザー気泡検出装置を作製した. これを用いて各種人工肺による灌流実験並びに臨床体外循環時の気泡発生について検討した. 本装置は微小気泡がセルを通過する時, 微小気泡により起こるレーザー透過光量の変化率を測定する気泡検出部と気泡の数と大きさを自動計測するデータ処理部に二分される. 生食水中では直径10μm以上の気泡が計測され, 血流灌流中では直径20~30μmから計測できた. Harvey H-1500, Cobe OPTIFLO-II, Bentley BOS-10S, Shiley S-100A HEDの4種の気泡型人工肺及び膜型人工肺としてTMO肺, Terumo Capiox-II 33を検討した. 灌流実験において, いずれの気泡型人工肺でも灌流量, 酸素流量を同一にして比較した場合, 人工肺の動脈血貯血槽(レザーバー)レベルが低い程, 気泡発生数は増加した. また, 灌流量にかかわらず, 酸素流量を増加させるに従い気泡発生数は増加した. 酸素流量/灌流量比が0.5~2.0の通常使用域ではHarvey H-1500, Shiley S-100AHED, Bentley BOS-10Sに比較して, Cobe OPTIFLO-IIの気泡発生は少なかった. これに対して, Capiox-II 33膜型肺の灌流実験ではほとんど全く微小気泡の発生は観察されなかった. 更に膜型肺を使用した3例の体外循環回路に見られる微小気泡は, 灌流早期にわずかに認められたに過ぎず, 気泡型人工肺使用例に比較して, 灌流全経過にわたり著しく少なかった. 以上, 作製したレーザー気泡検出装置により, 各種人工肺の気泡発生の比較, 体外循環中の気泡出現状況を経時的, 定量的に検討することが可能であった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : レーザー気泡検出装置, 微小気泡, 体外循環, 気泡型人工肺, 膜型人工肺
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