アブストラクト(32巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 胸腔内エアー・リークに対するN-CWSによる胸膜癒着術
Subtitle : 原著
Authors : 中元賢武, 沢村献児, 森隆, 橋本聡一, 井内敬二, 中村憲二, 李龍彦, 水田隆俊, 一宮昭彦
Authors(kana) :
Organization : 国立療養所近畿中央病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 12
Page : 2090-2094
Year/Month : 1984 / 12
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 癌免疫療法剤であるN-CWSの胸膜癒着作用を53例の胸腔内エアー・リークの治療に応用した. 53例の内訳は高齢, 塵肺・低肺機能などを合併した対処困難な自然気胸30例, 肺手術後長期エアー・リーク17例, 術後死腔遺残6例で, 年齢は20歳~83歳(平均58歳)であった. N-CWSによる胸膜癒着術の治療成功率は98%で, しかも再発は1例も認めていない. N-CWSによる胸膜癒着術の成功の条件は, 胸腔内持続吸引で肺の再膨張を計ること, N-CWS溶液が胸膜全面に均等に附着することであるが, 肺の再膨張が不十分であってもN-CWSの注入を繰り返すことで治癒した. N-CWS注入時の胸痛はなく, 副作用として一過性の発熱及び軽度のLDHの上昇が認められる程度で, 重篤な合併症は認めず, 胸腔内エアー・リークに対するN-CWSによる胸膜癒着術は安全でしかも確実な治療法である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 胸腔内エアー・リーク, 胸膜癒着術, N-CWS
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