| Title ： |
右心肥大心における右脚ブロックと心機能 ―右室後負荷軽減並びに低酸素負荷における検討― |
| Subtitle ： |
原著 |
| Authors ： |
吉利用和, 安井久喬*, 富永隆治**, 神田好雄, 上野安孝, 安藤廣美, 窪山泉, 川内義人, 古森正隆, 徳永皓一 |
| Authors（kana） ： |
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| Organization ： |
九州大学医学部心臓外科, *福岡市立こども病院心臓血管外科, **松山赤十字病院心臓血管外科 |
| Journal ： |
日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： |
32 |
| Number ： |
12 |
| Page ： |
2110-2118 |
| Year/Month ： |
1984 / 12 |
| Article ： |
原著 |
| Publisher ： |
日本胸部外科学会 |
| Abstract ： |
右室後負荷が増減した時の右脚ブロック(RBBB)の心機能に及ぼす影響を, 高度右室肥大犬(右室・左室圧比≧0.5)を用いて検討した. I群11頭は肺動脈絞扼テープを残した状態でRBBBを作製した. II群7頭は肺動脈絞扼テープ解除後低酸素負荷(窒素95%酸素5%)を行い, その後RBBBを作製し右室後負荷軽減時のRBBBの影響を調べた. 次いで, RBBB前と同様の低酸素負荷を行い, その心機能の反応をRBBB前と比較した. 1. RBBB後, I群, II群ともに右室拡張末期圧の上昇, 左室圧peak negative dp/dtの減少並びに1回拍出量の減少が有意に認められたが, その程度は両群間に有意差はなかった. 右室圧peak dp/dtはI群のみ有意に低下した. II群はI群に比しより高度な右心肥大心を有し(p<0.05), RBBB後のQRS幅がより広い(p<0.01)ことを考慮すれば, II群のRBBBによる心機能への悪影響の程度は右室後負荷の強いI群よりも軽度であることを示唆していた. 2. 低酸素負荷時の右心機能曲線において, RBBB前に比しRBBB後の曲線の著しい右下方への偏位が認められた. 3. 左室圧peak negative dp/dtは低酸素負荷全経過をとおしRBBB後が有意に低下した(p<0.05). 1回拍出量/左室拡張末期圧並びに左室圧peak dp/dt/左室拡張末期圧は負荷60秒よりRBBB後が前に比し有意に低下し(p<0.05), 負荷に伴う増悪傾向が認められた. 以上の結果は, 右室後負荷軽減後の右室肥大心においてRBBBはその右室並びに左室機能を有意に低下させ, 更に右室後負荷増大などの負荷により, その程度は著明に増悪することを示していると考えられる. |
| Practice ： |
臨床医学：外科系 |
| Keywords ： |
右脚ブロック, 心機能, 右室肥大心, 右室後負荷, 低酸素負荷 |
