Title : |
Bjork-Shiley弁を用いた大動脈弁置換術における弁輪拡大の手術適応並びに手術方法について |
Subtitle : |
原著 |
Authors : |
中埜粛, 広瀬一, 松田暉, 白倉良太, 佐藤重夫, 榊原哲夫, 谷口和博, 川島康生, 河内寛治*, 森透** |
Authors(kana) : |
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Organization : |
大阪大学医学部第1外科, *奈良医科大学第3外科, **鳥取大学医学部第2外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
33 |
Number : |
1 |
Page : |
72-77 |
Year/Month : |
1985 / 1 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
大動脈弁置換術(AVR)に際し, 小さい弁サイズの代用弁しか用いることができない狭小な大動脈弁輪を有する症例に対して如何に対処すべきか, 弁輪拡大の方法や弁機種の選択に関し多くの議論がなされている. 今回, Bjork-Shiley弁によるAVRにおいて如何なる場合に弁輪拡大術を要するか, その手術適応並びに手術方法について検討した. (1)Bjork-Shiley弁を用いたAVR症例19例について術後遠隔期心カテーテル検査を行い安静時(R)及び運動負荷時(Ex)における弁機能を検討した. 弁サイズ別に左室-大動脈収縮期圧較差(ΔP)と患者体表面積(BSA)との関係をみると, 弁サイズ19mm, 21mmではBSA 1.31~1.77m2の症例でΔP(R)平均33.3mmHg, ΔP(EX)平均45.3mmHgを認め, 弁サイズ23mmではBSA 1.5m2以上でΔP(R)19.2mmHg, ΔP(Ex)33.5mmHgを認めた. 弁サイズ25mm以上ではBSA 1.89m2の1例を除いて, ΔPは(R), (Ex)とも認められなかった. 従って, BSA 1.5m2以上の症例で少なくとも弁サイズ25mmを用いることができなければ弁輪拡大術を考慮する必要があると思われる. (2)狭小な大動脈弁輪を呈するものに対し, 無冠動脈尖部にて弁膜を切断しパッチ拡大する弁輪拡大術をこれまで24例に施行した. 弁輪直径は平均21.2mmから平均25.1mmまで拡大され本来の弁輪径より大きい弁サイズを用いること可能となり満足すべき成績が得られた. 本手術方法は簡便で容易に目的を達することができ, 臨床上極めて有効な方法と考える. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
大動脈弁置換術, Bjork-Shiley弁, 大動脈弁輪拡大術 |