アブストラクト(33巻1号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 腕頭動脈瘤による高度の気管狭窄に対し, 腕頭動脈瘤切除手術を行ったマルファン症候群の1例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 榊原尚豪, 藤原等, 前村大成, 後藤一雄, 維野進, 船津秀夫* |
Authors(kana) : | |
Organization : | 東京都立広尾病院心臓血管外科, *東京都立広尾病院外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 33 |
Number : | 1 |
Page : | 98-103 |
Year/Month : | 1985 / 1 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | マルファン症候群, Annulo-Aortic Ectasiaの症例にベンタール手術を施行し, 術中に進行したと思われる腕頭動脈瘤により, 術後高度の気管狭窄を来したため, 狭窄解除のため腕頭動脈瘤切除, 左右頸動脈間バイパス手術を施行した. マルファン症候群の患者の胸郭は扁平で, 特に胸骨-椎骨間は狭く, ここに大きな動脈瘤が発生すれば気管, 食道などの圧迫は必然的に起こり得る. 従ってマルファン症候群の症例に対しては, これを念頭に置き, 臨床所見, 胸部レントゲン写真, 血管造影などの検査により動脈瘤による他器官の圧迫の有無を確認すべきである. そして, 圧迫の可能性のある場合には, 気管・食道などの内視鏡検査, CTスキャンなどが, 確定診断及びその後の治療方針の決定に極めて有用である. また高度の圧迫に対する処置としては, 血管外科的手術が最も適当と考えられる. Annulo-Aortic Ectasiaの患者にはマルファン症候群のものが多くあるが, こういった症例の胸部は胸郭及び脊柱の変形を伴い, 扁平で脆弱である. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | マルファン症候群, ベンタール手術, 気管狭窄, ベンタール手術後合併症 |