アブストラクト(33巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 低流量逆灌流による24時間心保存 ―左室の圧容積関係及び同所性心臓移植による心機能の評価―
Subtitle : 原著
Authors : 鈴木盛一, 笹木秀幹, 富田悦朗, 雨宮浩
Authors(kana) :
Organization : 国立循環器病センター研究所
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 2
Page : 139-146
Year/Month : 1985 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 我々はこれまでに, fluorocarbonとmodified Collins液を用いた犬摘出心の単純保存及び低流量逆灌流保存で, 良好な保存効果が得られることを報告してきた. 今回は, 低流量逆灌流法で24時間保存した心8例について, 保存後の心機能を, 体外循環回路を用いたex vivoの装置で再拍動させ, 左室の圧容積関係を測定することにより, あるいは同所性移植を行うことにより詳細に検討した. 保存中の灌流量は, 心臓100gr当たり20ml/hr(最小量30ml/hr)とした. 圧容積関係測定例(n=5)では, 収縮期末期圧-容積比(Emax)と拡張期末期圧(LVEDP)-容積関係から評価される心機能は5例とも良好と考えられたが, 1例はLVEDPが上昇していた. 同所性移植例(n=3)では, 全例体外循環より離脱し, 離脱後の心機能は十分であった. 今回の検討は, 保存心をex vivoで拍動させた後, あるいは体外循環を離脱させた後, 数時間の検討であったことから, 今後の課題として, 同所性移植をした犬を慢性的に生存させ, 長期にわたり保存心の機能を評価するとともに, 特にLVEDPの上昇した例で, その変化が機能的に可逆的か否かを検討して行くことが重要と考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 心臓移植, 心保存, 低流量逆灌流保存, 圧容積関係, fluorocarbon
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