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弁膜疾患41例の左室造影による術前後の心機能及びその改善度を術中生検した心筋の超微細構造の観点から検討し, 以下の結論を得た. 心筋の電顕像から, 変性度スコアを算出し, スコア5以下を保全群, 6以上を変性群に区別した. 1. 術前において, 左室のポンプ機能, 心筋機能及び形状指標は, 心筋保全群で変性群に比し良好に保持されていた. 2. 術後でも, ポンプ機能, 心筋機能及び形状指標は保全群で変性群に比し有意に良好もしくは良好な傾向が認められた. 3. 術後のポンプ機能EF及び心筋機能MNSER(mean normalized systolic ejection rate)と術前心筋変性度EM-scoreとの間には有意な負の直線相関が認められた. 4. 術後のポンプ機能, 心筋機能及び形状指標の術前値に対する改善度は保全群においてより良好であった. 5. 術後のポンプ機能改善度ΔEF/score及び心筋機能改善度ΔMNSER/scoreと術前心筋変性度EM-scoreとの間に有意な逆指数関数相関が認められた. 6. 術前の左室造影によるポンプ機能と拡張, 収縮形態Δ(D/L)の組み合わせにより, 心筋変性群をある程度判別可能であった. このことは至適手術時期の決定, 予後の予測に有用と考えられる. |
