アブストラクト(33巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : ファロー四徴症再手術症例の検討
Subtitle : 原著
Authors : 大北裕, 三木成仁, 楠原健嗣, 松本雅彦, 上田裕一, 田畑隆文, 米田正始, 田村時緒*, 龍田憲和**, 鯉江久昭***
Authors(kana) :
Organization : 天理よろづ相談所病院心臓血管外科, *天理よろづ相談所病院小児循環器科, **大津赤十字病院心臓外科, ***弘前大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 2
Page : 170-175
Year/Month : 1985 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : ファロー四徴症根治術後の遺残病変に対し再開心術を12例に行った. これは1983年12月までに天理よろづ相談所病院心臓血管外科にて施行した同症根治術438例の2.7%に当たる. 男性11例, 女性1例で, 再手術時の年齢は2歳から30歳, 平均14.4歳, 初回手術から再手術までの期間は1ヵ月から13年6ヵ月, 平均4年8ヵ月であった. 遺残心室中隔欠損症(VSD)を認めたものは8例で肺対体血流量比は1.2から2.0, 平均1.7であった. 短絡部位はVSDの後下方, 上方に集中する傾向を示し, 7例は直接, 1例はdacron patchを用いて閉鎖した. 新たな刺激伝導障害は発生せず, 再々短絡も認めなかった. 右室流出路遺残狭窄(RVOTS)は7例に認め, 右室対左室収縮期圧比(RVp/LVp)は0.73から0.92, 平均0.82であった. 施行術式は, 自家広筋膜弁による肺動脈弁置換術1例, 弁切開術2例, 漏斗部切除術2例, 自己心膜による主肺動脈拡大術2例, porcine pericardial monocuspによる流出路拡大術2例であり, 再手術後のRVp/LVpは0.33から0.60, 平均0.45であった. 三尖弁閉鎖不全症は2例に認め, いずれも遺残VSDを合併していた. 1例はReed法による弁輪形成術, 他の1例はSJM弁による弁置換術を行った. 手術死亡はなく, 遠隔成績では1例が不整脈により死亡, 1例が再びRVOTSを来し再々手術待機中, 1例が心不全状態である以外, 良好である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : ファロー四徴症, 再開心術, 遺残病変
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