アブストラクト(33巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺切除後に発症した肺癌小腸転移の2手術例
Subtitle : 症例
Authors : 小池輝明, 広野達彦, 山口明, 江口昭治, 吉村孝夫*, 寺島雅範*
Authors(kana) :
Organization : 新潟大学医学部第2外科, *県立ガンセンター新潟病院胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 2
Page : 242-246
Year/Month : 1985 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺癌, 肺切除術後早期に小腸転移で開腹術を施行した2例を経験した. 症例1は44歳, 男性. 大細胞癌で左上葉を切除し相対的治癒切除と判定した. 下血のため, 肺切除3ヵ月後に開腹し, 潰瘍を伴う手挙大の空腸腫瘍を切除した. 症例2は66歳, 男性. 扁平上皮癌で左上葉+S6部分切除を施行し, 相対的非治癒切除と判定した. 腸管穿孔の疑いで肺切除3ヵ月後に開腹し, 穿孔を伴う回腸腫瘍を切除した. 両者とも, 原発巣と同様の病理所見を示し, 肺癌の小腸転移と考えられたが, 開腹術後, 3ヵ月と4ヵ月に癌死した. 原発性肺癌の他臓器転移の中では, 脳, 肝, 副腎骨は多いが, 消化管, 特に小腸への転移は少なく, 小腸転移に対する手術例は文献上, 本邦では13例1)~12)にすぎない. これら症例の多くは, 原発巣の肺癌に対しては, 無治療か, あるいは放射線療法や化学療法が主で, 肺切除が行われていたのは富田ら10)12)の2例のみであった. 今回, 肺切除後の小腸転移に対し開腹術を施行した2例を経験したので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺癌, 小腸転移
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