アブストラクト(33巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 遠心ポンプを用いた左心バイパスの研究
Subtitle : 原著
Authors : 薦田烈, 寺本滋
Authors(kana) :
Organization : 岡山大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 3
Page : 320-330
Year/Month : 1985 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 遠心ポンプ(Bio-Pump)は, 定常流を発生し, 還流血液量及び末梢血管抵抗により自動的に流量の変化するという特性を持つ. 著者は, このポンプを用いて, 左房脂血・上行大動脈送血による左心バイパスの実験を雑種成犬9頭に行った. その結果, 正常心に対するバイパスでは, 最大バイパス, 1/2バイパスとも心補助効果が認められた. 最大バイパス時, MVO2減少率37.6%, TTI減少率45.5%, LV Max. dp/dt減少率は61.4%であった. 左冠動脈前下行枝結紮による左心不全心に対する最大バイパスでは, 心補助効果は認められたものの, 正常心に対するほど著明ではなく, MVO2の有意な減少には至らなかった. TTI減少率19.1%, LV Max. dp/dt減少率35.6%であった. 左心不全により減少していたCIは23.8%増加し, 上昇していたExcess Lactateは減少した. 以上, 左心バイパスにより, 正常心に対する左心バイパス効果のみならず, 少なからず, 左心不全心に対する心補助効果も示された. 更に改良を重ねた上で, 将来の臨床応用が待たれるところである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 左心バイパス, 遠心ポンプ, 定常流, 左心不全
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