アブストラクト(33巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 一枝病変に対する冠動脈バイパス術並びにPTCAの成績と問題点 ―PTCAとの対比を中心に―
Subtitle : 原著
Authors : 須磨久善, 佐々木進次郎, 村木宏要, 武内敦郎, 貴島範彦*, 関一郎*
Authors(kana) :
Organization : 大阪医科大学胸部外科, *大阪医科大学第1内科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 3
Page : 331-338
Year/Month : 1985 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 冠動脈一枝病変に対する治療法の選択はPTCAの登場により慎重な検討が要求されるところとなった. 当院において一枝病変に対して行われた冠動脈バイパス術22例, PTCA11例を対象として比較検討を加えた. バイパス術群において死亡例はなく, スパスムに起因する術中梗塞1例(4.5%), グラフト開存率94%, 術後狭心痛消失率91%であった. 左室駆出率は術前67.0±9.5%から術後平均70.2±7.0%へと変化した. PTCA群のprimary successは73%で狭窄度は平均72%から24%へと改善した. 一過性の第1対角枝の閉塞を来した以外に重篤な合併症は認めず, PTCA不成功例は全例待期的にバイパス手術に成功し, 症状の改善を得ている. 以上の結果より一枝単独病変に対するPTCAは症例によっては有用な治療法であることが示された. また冠動脈バイパス手術を行うに当たってはスパスムの発生に注意を払い, low mortalityとhigh patencyの達成に心がけなければならない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠動脈バイパス術, 一枝病変, percutaneous transluminal coronary angioplasty(PTCA), 冠動脈スパスム
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