アブストラクト(33巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 左肺下葉肺動脈(A9+10)異常分岐の1例
Subtitle : 症例
Authors : 伴場次郎, 友安浩, 谷村繁雄, 正木幹雄
Authors(kana) :
Organization : 虎の門病院呼吸器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 3
Page : 366-368
Year/Month : 1985 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 55歳, 男性の左肺舌区に発生した腺癌に対し, 根治的上葉切除術を施行した. 本症例の外側及び後底区域動脈(A9+10)は左肺動脈前部, 縦隔面より独立して分岐し, 上葉気管支下を走行する極めてまれな形態をとり, 手術操作上, 場合により危険を伴うことが予想され, 更に発生学的に肺分画症, あるいは左動脈上気管支などの先天性異常の発生に至る中間型, 又は不完全型とも解釈される極めて興味深いものと考えられた. 近年, 肺外科は急速な進歩発達を遂げたが, 手術の基本は外科的解剖学にあるといえる. 従来, 肺血管の分岐, 走行は多様であり, 変異の多いことが知られている1)が, 安全に手術を行うために, 比較的まれな形態を示すものであってもあらかじめその可能性を念頭に置くことは重要である. 最近, 我々は左下葉肺動脈がまれな分岐, 走行を示した興味ある1例を経験したので報告する. 「症例」症例:55歳, 男性, 公務員事務職 家族歴:兄弟9人中7人に肺結核症の既往あり 既往歴:52歳時, 左自然気胸のため当院にて胸膜癒着術を施行した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺動脈分岐走行異常, 肺動脈発生異常, 肺分画症, 左動脈上気管支
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