アブストラクト(33巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 血栓Bjork-Shiley弁に対する血栓除去及び過剰肉芽切除術の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 益子健男, 堀越茂樹, 鈴木茂, 小机敏昭, 古川仁, 新井達太
Authors(kana) :
Organization : 東京慈恵会医科大学心臓外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 3
Page : 386-390
Year/Month : 1985 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 種々の利点から広く臨床で使われているBjork-Shiley tilting Aortic prosthesisは十分な抗凝固療法を行っていても1~2%に弁自体の血栓症の発生があると言われている. 今回我々は植え込み後2年6ヵ月目に血栓による弁機能不全を来した1例を経験したので報告する. 症例は40歳女性, 呼吸困難を主訴として来院, シネフィルム投影像1)にて開放, 閉鎖制限が認められた. 入院後ウロキナーゼ療法を行ったが心不全症状が増悪してきたため5日後に手術を施行した. 手術は弁上部の血栓を除去し弁直下の過剰肉芽に対してはvalve holderを用いてringをrotationしながら切除した. この方法で十分な左室内視野が得られたため再弁置換をすることなく良好な結果を得た. なお術前描出できなかった血栓が術中の経食道エコー法で鮮明に描出できたのでこの方法は今後診断上で有用な方法と思われた. 血栓症による人工弁機能不全は重篤な合併症であり, 死亡率も高く診断がつき次第, 外科的な処置を必要とする.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 血栓弁, 血栓除去術, 過剰肉芽, 経食道エコー法
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