アブストラクト（33巻3号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 大動脈非遮断下に行った縮窄部パッチ拡大術の1例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 前田肇, 榊原謙, 福田幾夫, 堀原一 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 筑波大学臨床医学系外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 33 |
| Number ： | 3 |
| Page ： | 391-395 |
| Year/Month ： | 1985 / 3 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 大動脈縮窄症に対し, 著者の考案したwire guided knifeを用い, パッチ縫着下で大動脈縮窄部を切開するパッチ拡大術に成功した. 縮窄部における大動脈圧較差が術前の70mmHgから術後は10～15mmHgに減少し, 降圧剤も不要となった. 本法は自然の血行を途絶することなく, 剥離も最少限でパッチ拡大術が行えるので, 右心室流出路拡大術のみならず, 単純遮断が行えない症例の大動脈パッチ拡大術や人工血管の大動脈への端側吻合術などにも広く応用可能である. 大動脈縮窄症の手術の大部分は単純大動脈完全遮断下で行われる. しかし, 十分な側副血行路のない大動脈縮窄症や狭窄症の手術には, 乳幼児を除き, 脊髄麻痺を始め, 下半身の内臓の虚血障害と脳の高血圧障害を防ぐために, 何らかの補助手段が必要となる. しかし, この補助手段自体が手術侵襲を大きくし, 煩雑さを増す. 今回, 大動脈縮窄症に対して, 補助手段を用いず, 自然の血行を遮断することもなく, 著者の考案になるwire guided knifeを用いてパッチ拡大術を行うことに成功したので報告する. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 大動脈縮窄症, パッチ拡大術, wire guided knife, 単純遮断, 大腿動脈圧 |
