アブストラクト(33巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 頸縦隔胸腺嚢腫の壁内に副甲状腺組織を認めた1症例
Subtitle : 症例
Authors : 岡田賢二, 人見滋樹*, 三宅正幸*, 小林淳, 桑原正喜
Authors(kana) :
Organization : 関西電力病院呼吸器科, *京都大学結核胸部疾患研究所胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 3
Page : 396-399
Year/Month : 1985 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 39歳主婦が, 吸気性呼吸困難, 嚥下困難を訴え, 更に上縦隔の腫瘍陰影を指摘されて入院した. CT上, 前頸部から前縦隔にかけて連続した嚢胞病変を認め, 超音波検査で嚢胞は多房性であった. 胸腺嚢腫の診断のもとに開胸術を施行し腫瘍を摘出した. 病理組織学的に腫瘍は胸腺嚢腫であったが, 胸腺嚢腫の壁内に正常な副甲状腺組織を認めた. 嚢腫は第3咽頭嚢の遺残(残存嚢胞腔)が最も考えられたが, 第3・4咽頭嚢より形成された副胸腺の退化も考えられた. 同時に存在した副甲状腺組織は原基の移動の途中迷入したものと考えた. 近年胸腺嚢腫切除例の報告は増加している. しかし胸腺嚢腫の壁内に副甲状腺組織を認めた症例は, 欧米ではToviが報告しているのみで1), 本邦ではいまだ報告されていない. 著者らは, 39歳女性で頸縦隔胸腺嚢腫の壁内に副甲状腺組織を認めた症例を経験したので, 発生学的・文献的考察を加えて報告する. 「症例」症例:39歳, 主婦
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 胸腺嚢腫, 第3・4咽頭嚢, 副甲状腺, 頸縦隔腫瘍, 胸腺咽頭管
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