アブストラクト(33巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 完全大血管転位症に対するJatene手術後の心機能
Subtitle : 原著
Authors : 高梨吉則, 今井康晴, 黒沢博身, 福地晋治, 星野修一, 沢渡和男, 永瀬裕三, 奥田浩史*, 中沢誠*, 高尾篤良*
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学付属日本心臓血圧研究所外科, *東京女子医科大学付属日本心臓血圧研究所小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 4
Page : 455-460
Year/Month : 1985 / 4
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 1982年8月から1983年12月までに, 完全大血管転位症に対するJatene手術を10例経験し, 8例の生存を得た. 生存例のうち, 術後検査を施行した7例の心室機能特性を検討したので報告する. 対象は生後5ヵ月から6歳の7例で, 6例が24ヵ月未満の乳幼児であった. 病型は2例がI型, 5例がII型で肺動脈絞やく術後は3例であった. 手術はすべて体外循環下に大動脈遮断を行い, ヤング液, GIK液, 局所冷却による心筋保護のもとに施行した. 術後の心臓カテーテル検査は術後1ヵ月以降に施行され, シネアンギオフィルムから, 右室(RV)の容積はSimpson法で, 左室(VL)の容積はarealength法で求めた. 拡張末期容積(EDV), 収縮末期容積(ESV)を求め, 駆出率(EF)を計算した. EDVは正常予測値に対する百分率で表した. 結果は, (1)LVEDVは術前207±102%(平均値+標準偏差)から, 149±26%に変化した. (2)LVEFは術前0.73±0.02%から, 0.63±0.08%へ変化した. (3)RVEDVは術前170±24%から, 135±28%に減少した. (4)RVEFは0.57±0.12%から, 0.57±0.18%と同様であった. すなわち本術式の術後の左室はEF 0.49±0.08を示すMustard, Senning手術術後の右室より良好な心室機能を示す傾向を示した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : TGAの心内修復術, 開心術後の心機能, TGAの術後心機能, 完全大血管転位症, 心室駆出率
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