アブストラクト(33巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 僧帽弁straddlingを伴ったTGA typeのTaussig-Bing奇型に対するJatene手術の成功例
Subtitle : 症例
Authors : 伊奈博, 内藤泰顕, 康義治, 磯部文隆, 藤田毅, 神谷哲郎*
Authors(kana) :
Organization : 国立循環器病センター心臓血管外科, *国立循環器病センター小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 4
Page : 511-515
Year/Month : 1985 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Taussig-Bing奇型に対してJatene手術を施行した報告は少なく文献上2例を見るにすぎない. 最近, 我々は僧帽弁のstraddlingを伴うTaussig-Bing奇型にJatene手術を行い成功したので報告した. 症例は7ヵ月男児, 体重5,490g, 重篤な心不全及び呼吸不全の状態であった. 精査の結果, 上記疾患と診断し昭和58年2月2日に手術を施行した. 経右房的に左室から肺動脈へトンネルを作成した. このときstraddlingした僧帽弁腱索が左室側になるように広く右室側に回ってパッチ縫着した. Lecompteの方法でarterial switchを行い, 肺動脈はRyggのブタ心膜を用いて補填再建した. 術後経過も順調で1年後の現在, 元気に日常生活を送っている. Taussig-Bing奇型は肺動脈弁下に心室中隔欠損(VSD)を持つ両大血管右室起始症(DORV)の特殊型であると考えられるが, 1949年のTaussigとBingの報告1)以来その定義に関しては論義が続いている2)~4). また本奇型に対する根治手術には一定の手術方法はなく様々な術式が実施されているのが現状である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Taussig-Bing奇型, 僧帽弁straddling, Jatene手術, Lecompteの方法
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