アブストラクト（33巻6号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 開心術後の急性腎不全の検討 |
|---|---|
| Subtitle ： | 原著 |
| Authors ： | 遠藤幸男, 元木良一 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 福島県立医科大学第1外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 33 |
| Number ： | 6 |
| Page ： | 809-817 |
| Year/Month ： | 1985 / 6 |
| Article ： | 原著 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 開心術後の急性腎不全(ARF)は, 術後低心拍出量症候群(LOS)と密接な関係にあり, 依然として重篤な合併症である. そこで, 福島県立医科大学第1外科で開心術を施行した776例中ARFを呈した21例を検討し, 次の結果を得た. 1. 発生原因として術後LOSが最も密接な関係を有し21例中19例がLOSに引き続き発症し, LOSから離脱不能の8例は全例死亡した. 2. LOSから11例が離脱し得たが, 5例はLOS離脱後に合併した敗血症性ショック, 出血性ショックから再び腎機能低下を招き, 全例死亡した. 3. LOSより離脱し, 合併症を来さなかった6例は全例全治した. 4. LOSと無関係に出血と感染により2例がARFとなり, 1例は救命し得たが, 1例は死亡した. 5. 術後心機能が最低の時点からARF発生まで2～35時間を要した. 6. 開心術後のARFの透析では循環系への影響を避けるため, 腹膜透析では灌流液は低浸透圧少量より開始し, 浸透圧漸増方式, 血液透析ではV-V方法で, 早期頻回短時間方式が有利であった. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 開心術, 急性腎不全, 低心拍出量症候群, 腹膜透析, 血液透析 |
