アブストラクト(33巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : A-Cバイパス術後遠隔期のグラフト開存性の予測に関する検討
Subtitle : 原著
Authors : 榊原哲夫, 広瀬一, 中埜粛, 松田暉, 白倉良太, 平中俊行, 松村龍一, 今川弘, 北村惣一郎*, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科, *奈良医科大学第3外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 6
Page : 896-902
Year/Month : 1985 / 6
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : A-Cバイパス術症例117例における, 234本のグラフトについて, 術前の冠動脈造影所見, 及び術中グラフト流量と術後遠隔期のグラフト開存性の関係を検討した. その結果, 以下のことが明らかとなった. 1. 吻合部の直径が1.5mm未満の冠動脈へのグラフトの開存率は38%で, それ以上の冠動脈へのグラフトに比べ有意に低値を示した. 2. Leamanらによって報告された「run offの大きさ」が3未満の冠動脈へのグラフトの開存率は40%で, それ以上の冠動脈へのグラフトに比べ有意に低値を示した. 3. 術中グラフト流量を「run offの大きさ」で除した値が3ml未満のグラフトの開存率は30%で, それ以上のグラフトに比べ有意に低値を示した. 4. 左冠動脈への閉塞グラフト34本中19本(56%)は, グラフトを施行した冠動脈の性状がグラフト閉塞の原因と思われた. 6本(18%)は, 術中既に存在したグラフト, 又は吻合部の狭窄が閉塞の原因と思われた. 9本(26%)は, 術後に発生した原因による閉塞であると思われた. 5. 遠隔期のグラフト開存性の予測因子として, 冠動脈の直径, 「run offの大きさ」, 術中グラフト流量を「run offの大きさ」で除した値が重要であることが明らかとなった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : A-Cバイパス術, 術中グラフト流量, run offの大きさ, グラフト開存率
このページの一番上へ