アブストラクト(33巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Criss-cross heartを呈する複雑心奇形に対する外科治療の検討
Subtitle : 症例
Authors : 小林順二郎, 広瀬一, 中埜粛, 松田暉, 川島康生, 有沢淳*
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科, *大阪大学医学部放射線科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 6
Page : 903-909
Year/Month : 1985 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 房室間の血流がまじり合うことなく交叉するcriss-cross heartの5症例を経験した. 大血管転位症(TGA)Mustard分類III型3例, II型及びファロー四徴症(TF)が各1例であった. 右室低形成を3例に, 三尖弁低形成と, straddlingを各1例に認めた. 5例中3例に根治手術を行い, 右室低形成のないTGA III型の1例に, Rastelli手術を施行し成功した. 右室低形成を認めたTFの1例と, 右室及び三尖弁低形成を合併したTGA III型は死亡した. 本症には, 心室中隔欠損, 肺動脈狭窄, 大血管転位, 右室及び三尖弁低形成, 房室弁のstraddlingを合併することが多い. このうち右室及び三尖弁の低形成, 肺動脈狭窄, 房室弁のstraddlingは外科治療上, 特に重大な問題であり, これら心内奇形の術前の十分な検索とそれに基づく適切な術式の選択が手術成績向上に重要と考えられた. Criss-cross heart(房室弁交叉症, criss-cross atrioventricular connection)は, 両心室がほぼ上下の配列を示し, 心房心室間の血流がまじり合うことなく交叉する心房心室の位置関係の異常であり, 1974年Andersonら1), 安藤ら2)によりはじめてその概念が提唱確立された疾患群である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : criss-cross heart, 右室低形成, 三尖弁straddling
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