アブストラクト(33巻6号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 特異な臨床経過をとった胸腺カルチノイドの1例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 篭谷勝己, 大山朝賢, 飯岡壮吾, 小林修一, 北村惣一郎, 村田吉郎* |
Authors(kana) : | |
Organization : | 奈良県立医科大学第3外科, *奈良県立医科大学第1病理 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 33 |
Number : | 6 |
Page : | 915-921 |
Year/Month : | 1985 / 6 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 症例は26歳の男性で, 突然の胸背部激痛で発症し, 当初, 解離性大動脈瘤を疑われたが, 胸部CTにより胸腺腫と診断した. その後の胸部レ線上, 腫瘤陰影は経時的に縮少した. 胸骨正中切開にて4×3×1.5cmの腫瘍とそれに連続した胸腺を摘出した. 病理組織学的に胸腺カルチノイドと診断され, 被膜内出血が確認された. この出血が特異な臨床経過を惹起したものと推測した. 内分泌検査にて血漿レニン活性. グルカゴン, PTHの上昇, OGTTに対するインシュリンの過剰反応がみられた. 頸部CTにて副甲状腺腫瘍を疑い切除したが, 組織学的には副甲状腺腫瘍ではなく, 異所性胸腺であることが判明した. 本例では, カルチノイドと副甲状腺機能亢進症の家族歴を有し, 種々の内分泌異常を呈したことより, 多発性内分泌腺症に合併した胸腺カルチノイドと考え, 胸腺カルチノイドの症状, 診断, 内分泌異常の合併につき, 考察を加えた. カルチノイドは消化管や気管などの原腸由来の臓器に好発し, 胸腺から発生することは極めてまれである. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 胸腺, カルチノイド, 腫瘍内出血, 多発性内分泌腺症 |